総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

Acquired Methemoglobinemia

N Engl J Med 2019; 381: 1158

 

25歳女性。

1日続く全身倦怠感と頻呼吸と皮膚変色で来院した。

SpO2はroom airで88%で、酸素投与を行っても改善しなかった。

身体所見ではチアノーゼが見られ、"黒い" 動脈血と静脈血も見られた。

PaO2は120mmHgで, SaO2は100%であったがCO-oximetryで測定すると酸素飽和度は67%であった。メトヘモグロビンは44%を占めた。

メチレンブルーが投与され、呼吸状態とチアノーゼの改善を認めた。

後々病歴を採取すると、前日に歯が痛くなり、ベンゾカインを大量に使用したということであった。

その後患者は改善し、退院したのちに歯科の通院を行うこととなった。

 

メトヘモグロビン血症ってあまり知らないので復習。

 

メトヘモグロビンはヘム鉄が酸化された2価から3価へ変化したもの。

このメトヘモグロビンは青みがかったような濁った茶色を有する。

そして、メトヘモグロビンは酸素飽和性が高く、酸素を組織に供給することができない。(酸素飽和曲線が左移動して、組織の圧力だと酸素は供給されない)

 

次に測定方法による違い。

①SpO2 → 660nmと940nmの酸化ヘモグロビン(940nmを吸収)と還元ヘモグロビン(660nmをよく吸収)の吸光度の違いを利用して測定。

②動脈血液ガス

 ②-1 SaO2→PaO2とpHと体温から計算し、[HbO2]/([Hb]+[HbO2])を反映している。

 ②-2 COオキシメトリー→[HbO2]/[total Hb]=[HbO2]/([Hb]+[HbO2]+[COHb]+[metHb])を反映している。

 

なので本症例ではSa02とCOオキシメトリーで違いがでた。ってことですね。

 

ちなみにメトヘモグロビンは660と940同等なので全てメトヘモグロビンだったとすると

R/IR = 1 → SpO2 85%となる。

SaO2は正常値を示し、COオキシメトリーは0に近づく。

 

SaO2が正常値っていうのがよくわからなかったけど(他はわかッタけど)、まあこれくらいでいっか。