総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

Case 7-2020: A 52-Year-Old Man with a Mass in the Left Breast : 男性の乳癌

N Engl J Med 2020;382:856-64.

 

52歳男性。

7週間前から左乳房に圧痛のないしこりがあることに気がついた。

4週間前に近医を受診した。身体診察で左乳房に約2cmの腫瘤を触知した。リンパ節腫大は認められなかった。

19日前にマンモグラフィーが施行された。(American College of Radiology ap- propriateness guidelinesでは、25歳以上の男性で乳房に所見がある場合は、まずマンモグラフィーからさつえいしなさいというrecommendがある。。・・・知りませんでした。)( ちなみに、もしマンモで所見があきらかでないときは、エコーしなさいって書いてあります。)

マンモグラフィーでは、左乳房に辺縁不明瞭で不均一な石灰化をともなう腫瘤性病変が認められた。

エコーでは、辺縁不整の2.5×1.5cmの腫瘤として描出された。

American College of Radiology Breast Imaging Reporting and Data System (BI-RADS)で4点であり、癌が疑われるため、針生検が超音波ガイド下で行われた。また、左腋窩のリンパ節生検も行われた。

病理では、左乳管癌・左腋窩リンパ節転移を認めた。

家族歴(Figure 1)

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Figure 1 : 家族歴

患者の父親が81歳の時に乳癌と診断された。

父側の叔父も50歳と60歳の時に両側乳癌と診断された。

また、父側の叔父が骨腫瘍と20代の時に診断され、また別の叔父が60歳の時に脳腫瘍と診断され、さらにまた別の叔父が脳腫瘍と腎腫瘍と診断された。

父側の叔父の息子さんについては、50歳のときに膵腫瘍と心dさんされ、また別の叔父の息子は前立腺癌と診断されていた。

母側は、祖母が乳癌、叔母が大腸癌であった。

患者はアシュケナジムの子孫であった。

 

左乳房切除術が施行された。

2cm程度の腫瘍で、リンパ節転移は1/19であった。ERは陽性でHER2は陰性であった。

浸潤性乳管癌 grade3 

 

ここからが、普通にまったく知らなくて反省しました。

 

・男性乳癌には、BRCA1とBRCA2を調べる。

・BRCA2が陽性の女性は大腸癌になるリスクが40-60%ある。

・BRCA2陽性の男性は前立腺癌のリスクが25%ある。

・BRCA2陽性の家族歴がある場合は、膵癌のリスクが3%ある。(専門家の多くは1年に1回のスクリーニングを推奨している。)

 

男性の乳癌は全乳癌患者の1%程度で発症年齢の中央値が69歳(女性よりも10歳年上)

 

今回のcaseは、

・手術するか、するなら乳房温存術がいいのかどうか

放射線治療はしたほうがいいかどうか。

・化学療法はしたほうがいいかどうか。

・内分泌的治療はしたほうがいいかどうか(女性はアロマターゼ阻害薬がいいそうだが、男性はタモキシフェンのほうがいいらしい)

・内分泌的治療完遂後さらに内分泌学的治療を行ったほうがいいか。

 

について話され、まあやったほうがいいよねってなってやっています。

 

なんか最近MGHこういうのおおいっすね。

まあいいけど。

でもこれで自分がいかに、こういうスクリーニングとか弱いなって実感しました。

なので、MKSAPを買いました。高かったけど、、

 

なので、これからはMKSAPものっけていくつもりです。よろしくです。