Case 31-2016: A 53-Year-Old Man with Diplopia, Polydipsia, and Polyuria
53歳男性。
両側外転神経麻痺・中枢性尿崩症で来院した53歳男性。
この時点で下垂体に何かありそうだとは思うんだよね。(まあただ両側外転神経麻痺は、下垂体病変では説明できないんだけど)
その瞬間GPAとIgG4関連が(自分は)思い浮かぶんだけど。
ただ読んでみて分かるのは、蝶形骨洞とかに肥厚性病変がある。。
それでMPO-ANCA陽性だから、GPAだよな。。
って思うんだけど、、
この症例はこの筆者たちも結構大変だったんだなってかんじ。
GPA vs IgG4
・副鼻腔の病変は(IgG4で起きるのは知らなかったけど)、GPAはerosionするってところがIgG4と違う。(この症例は副鼻腔の表面は問題ないと記載あり)
・IgG4はGPAではちょっと上がることが多いが、IgG4関連疾患では、45%がnormal(え!そうだったの?)残りが上昇。
・IgG4の肺病変は胸水がある。
・IgG4は間質性腎疾患でGPAは糸球体疾患。→尿中白血球が上昇している場合などは普段測ることがないNAGとか測ってもいいかもしれない。
・IgG4の方の病理は、花筵状線維化(storiform fibrosis)
と閉塞性静脈炎・好酸球がみられたりする。
悩んで悩んで最終的には下垂体生検されてようやく診断といったところ。
SSKのリスト
下垂体(一般的なもの)
・GPA
・IgG4
・サルコイドーシス
・結核
下垂体(特殊なもの)
・Eldheim-chester syn
・ランゲルハンス組織症
・シェーグレン症候群
・Lymphomaなどの腫瘍浸潤(肺癌・乳癌)
うーんまとまりました。
あとは個人的な疾患の特性としては
GPA : infiltrate + Granulamatous
IgG4 : infiltrate + shortage
みたいな感じですね。。
あとは、この外転神経麻痺が謎なんだけど、Kunimatsu listには、外転神経麻痺のところに下垂体炎が書いてあるけど、IIIとIVが問題ないのはおかしくね?って思うんですけど。個人的には、①頭蓋内圧亢進、②グラデニーゴ症候群的なことが起きているのかも。と考えましたが、いかがでしょう。ちょっとこの部分は保留にしておきましょう。