総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

日本内科学会雑誌 108 12

某K先生もやっていますが、、、

ぼくもやってしまします。

 

まず1例目

26歳女性で1週間前からの発熱と手指の関節腫脹・両側下腿浮腫もあり、好酸球も高い、、、肺に散在する結節影あり。

 

うーんEGPAじゃね?とかおもうきがするんだけどどうでしょう?まあANCA陰性ですけど。しかもUp to dateさらっとみるとmean 40歳とか書いてあるけどそれだけじゃわからんしな、、、

 

そして、またCTとってみると前回認めた結節が消えて、新しく散在している....

でなんかよくわからないけど、聞いてみたら牛の生肝くってました。。。トキソカラ症やーって診断に。。。

 

トキソカラ症は、イヌ回虫とかネコ回虫の幼虫がヒトに感染しておこるみたいっすけど、イヌとかネコの排出した虫卵を経口摂取して感染するパターンは欧米におおいみたいで、日本では鶏や牛の生肉や生肝を食べたり、虫卵が付着した生野菜からの感染があるらしい。

 

臨床像としては、本症例のような発熱・関節痛・全身倦怠感みたいな非局所的な経過で好酸球も高い。そして特徴的なのは、本症例みたく短時間で消退とと出現を繰り返す結節影やすりガラス陰影が挙げられる。なんとなくこの短時間っていうのが、特徴的なきがするんですが、、

 

このトキソカラ症ってきいたことなかったす。ハイカラですね。

なんちって。

 

では次の症例へ。

 

受診6ヶ月前からの心窩部痛で1度EGDは施行しているけど何にもない。そのあとなんか自然によくなったけどまた痛くなってきてCTとると横行結腸近傍に3cmくらいの腫瘤影あり。とったら大網原発型キャッスルマン(UCD)でした。っていう症例。。。

この症例から俺がまなぶべき教訓は(笑)、キャッスルマンは胸部・頭頸部がおおいけど腹腔内にも起こりうるということ。

あとは病理的なことはあまり知らなかったな。UCDはhyaline vascular type(硝子化と濾胞間血管形成(?)わかりませんどなたかおしえてください)が多くて、MCDはplasma cell typeがおおいらしいすね。臨床とマッチしているのかな?実際に遭遇したことないからしらないけど。

 

さて次の症例。

1年前にTAVIした83歳男性で局所初見のない発熱で受診。TEEでカテーテル人工弁に疣贅あり。血液培養でListeria monocytogenesが検出された。それで下部消化管内視鏡検査を施行すると大腸癌を認めましたって症例。

僕がラインを引いた箇所は、TAVIのカテーテル人工弁と外科的大動脈弁置換術では、IEの発生率に変わりないこと(元文献みていないですが)、そしてカテーテル人工弁のIE発生までの期間が1年・外科的大動脈弁置換術が2年っていう時間の概念、リステリアは0-4°くらいでも生き残るから乳製品をはじめとする生鮮食品による感染がおおいってこと(しらなかった、、はずかしい笑笑)、Listeria monocytogenesは消化管腫瘍の合併率が50%くらいあるってこと。

ですね。いずれもしりませんでした。

 

今回は1症例目以外は知識系が多かったすね。1症例目のEGPAにmimicするハイカラなトキソカラ症はなかなか勉強になりました。膠原病狙い撃ちじゃなくて、食い物・ペットもちゃんときかなきゃっすね。