Case 40-2019: A 26-Year-Old Returning Traveler with Headache
N Engl J Med. 2019 Dec 26;381(26):2553-2560.
Case 40-2019: A 26-Year-Old Returning Traveler with Headache.
片頭痛もちの26歳女性が冬のヨーロッパの雪山の山小屋で旅行中に頭痛を起こす。
経過としては、2週間半前くらいからflu like symptom(悪寒・頭痛・咳嗽)を認めていて、それは自然によくなったけど、1週間くらい前から頭痛が酷くなって病院へ。
頭部単純CTでは頸部リンパ節の反応性腫大がある程度。
ただ髄液検査をすると、細胞数が1422/μLでリンパ球が85%と細胞数多っ!、そして髄液中の糖が28mg/dLとやや低め。髄液のグラム染色・培養は陰性、髄液のHSVのPCRも陰性。
この症例のキモとしては、冬に発症したことと、2相性の経過と圧倒的な髄液細胞数・軽度の髄液糖低下ですね。
enterovirusもtickborn diseaseも基本的には、冬には起こらない。(知らなかったのはWest nile virusとかSt.louis virusとかToscana virusも夏から秋らしい)
圧倒的な髄液細胞数と軽度の髄液糖低下は、麻疹とリンパ球性脈絡髄膜炎があるみたい。ただflu like symptomが一回よくなった後に髄膜炎症状が出現するのはリンパ球性脈絡膜髄膜炎に合致するらしい。またこのウイルスは、ネズミに直接接触するかネズミの糞とか尿を介して人に感染する。季節はネズミが屋内にいる冬におおく、潜伏期間は1−2週間らしい。(https://www.cdc.gov/vhf/lcm/symptoms/index.html)
本症例でも寝泊りしていた小屋にネズミが出入りしているところを目撃されており、髄液と血清のIgGとIgMで診断された。
あと豆知識としては、麻疹は潜伏期間が15−24日で、髄膜炎合併症例でも50%は耳下腺が腫れないケースがあるみたい。季節は冬の終わり〜春先。
エンテロウイルスについても解説があって、季節は夏〜秋。
などなど豆知識をみていると意外と発症した季節も大事なんだなぁといままで注目していなかった盲点も発見しました。