総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

日本内科学会 2020 3

今月は3例。

 

40歳女性。

1ヶ月前に自然寛解と増悪をくりかえす発熱があり(微熱は持続していたと書いてあるけどどっちなのだろう)、受診。

身体所見では、両側膝痛があるというが、あきらかな関節炎の所見は認められなかった。

 

初診時に採取した血液培養2セットでGNRが検出され入院した。

 

入院時の血液検査では、WBC 5290, リンパ球 29.4%, AST 130, ALT 109, LDH 675, ALP 67, CTで肝脾腫なし、リンパ節腫大なし。

 

うーむ、LDHたかくて、不明熱てきな要素(この症例は増悪しているのか・寛解しているのかわからないが)だとまずはリンパ腫を疑ってしまうな。。。

だけど血液培養陽性でびっくりするてきな感じ?かな。この症例は。

 

最終的に16sRNAで, Brucella suis biovar5と診断された。

 

ブルセラ症は僕のメモだと

発熱・関節痛・肝脾腫でWBC正常・リンパ球増加・ALP高値を不規則な周期でくりかえすってかいてある。

 

疑えるかな。。この症例は。間欠的な発熱であれば、鑑別にはあがって豚・羊・山羊・犬とかとの接触歴をきくかなって感じ。

 

はい、次。

50歳女性。10年前からPM/IPで治療中で3ヶ月前からすりガラス陰影が増悪し、ステロイドパルス→IVCY, 後療法60mgで漸減し27mgまで減量している最中であった。今回労作時息切れでBBP 113/62mmHg, PR 120/min, SpO2 100%(nasal cannula 4L)でTTEでも心嚢液貯留を認めた。

 

この症例は、PL7抗体陽性の皮膚筋炎に合併した心タンポナーデと診断された。

うーん、本当にそうなのかな。

 

今回はステロイド減量により皮膚筋炎が増悪し心膜炎になったってかいてあるけど

てか、ステロイド・IVCYで肺のすりガラス陰影はどうなったのよ。。

他の筋炎症状はどうなったのよ。

これは良くなっているんじゃないの?そういうことだろっと思うんだけど。

 

しかもステロイド減量しっぱなしで、心嚢穿刺でよくなったのなら、それは増悪といっていいのでしょうか?

 

心嚢液貯留は、特発性が大部分を占めるから、どっちかっていうとそっちだったんじゃないかな。。。

 

なんともこじつけ感が強い症例。

 

さて次。

18歳女性。

6歳時にSLEと診断され、PSL 8mg, ミコフェノール酸 1,250mg, Tac 3mgで治療継続されていた。

2ヶ月前に頭痛・発熱・嘔吐を認め、他院へ入院した。

尿たんぱく4+とMRIで大脳内に多発するFLAIR high density領域を認めた。髄液検査では、細胞数 175/μL, 蛋白461mg/dL, IL-6 548と上昇しており、HSV-RNA陰性を確認されてから、CNS lupus・lupus nephritis flareと診断され、ステロイドパルス・血漿交換・IVCYが施行された。

 

しかしその後聴力障害・意識障害が進行し、ステロイドパルスに加えてリツキシマブ療法が開始されるも視力が低下した。頭部CTを撮影すると脳出血・脳室内穿破があり、VPshuntが施され軽度改善した。眼底検査では網膜滲出斑があった。。

 

その後精査加療目的に転院した。

 

いやーすごい激しい症例ですね。みてるこっちがハラハラする。

 

つっこませていただくと

後医は名医ですけど、尿蛋白はよくある最初だけ、陽性だったんでしょうね。それ以外の血算とか腎機能・蛋白g/Crとか補体とかは動いていないすね(網状赤血球は上昇していますがハプトはありますね)dsDNAでfollowされていたのかは不明ですけど、やっぱり正常域ですからね。(まあ実際中枢神経症状だけってこともあるんだろうけど。)

 

で転院して、髄液のVZV-IgG 40.6と上昇していて、DNAも検出されて、VZV髄膜炎脳炎・血管症・VZV網膜炎と診断されたんですね。。

 

アシクロビルでなんとかADLは歩行器レベルまで。。

よかったよかった。

 

いやこの症例はむずいですね。

VZVのIgGとか出さないし。。。

 

一応up to dateのwhen suspect VZVを読むと

・髄液検査でリンパ球優位の細胞数上昇(うーん微妙だとおもいます。)

・白質・灰白質境界領域での脳出血脳梗塞の混在

・数日で増悪する脳出血脳梗塞

 

ちなみに皮疹はやくに立ちません。

同時にでることもありますが、4ヶ月おくれて神経学的所見がでることがあるからです。

 

この症例、実はVZV-IgMは最初にだしているんですよね。。

Up to dateにはVCV-IgGとDNAを出しなさいと書いてありますね。(IgGは血清との比較)

 

クリプトコッカス髄膜炎といいVZV髄膜炎といい、

Ischemic storkeにmimicしてくるんですね。

 

今日はここまで。

また次回。