Purple Urine after Catheterization
N. Engl. J. Med. 2019; 381; 18: e33
70歳女性。
脳梗塞により片麻痺と失語を呈しており、膀胱留置カテーテルが挿入されている。
留置10日後、ウロバックが紫になっていた。
尿検査では, pH8で、白血球を認めたが亜硝酸塩は認められなかった。
尿培養ではK. Pneumoniaeが検出された。
この紫色の変化はアルカリ環境で細菌が化学反応を起こすためだと考えられ、それは以下のようなものである。
食事に含まれるトリプトファンが腸管内でインドールに変換され血中に吸収される。
これが肝臓でインドキシル硫酸へ変換される。
インドキシル硫酸が尿で排泄されると、細菌の酵素によって赤インディルビンと青いインディゴに分解されてこれが混ざって紫色となる。
このような働きをする細菌としては、緑膿菌やProvidencia stuartii, E.coli, enterococcusなどがある。
本症例は感染兆候はなく、補液を行われ、4日後には改善した。pHは正常レベルになったが、失語と片麻痺は続き、施設へ転院した。