総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

Dexamethasone in Hospitalized Patients with Covid-19 — Preliminary Report

The RECOVARY trial COVID-19に対するステロイド効果の論文。 うーん。 なんかなんでだろう。 COVID19にデキサメタゾンが効きそうという論文を目にして 違和感を感じます。 その違和感を言語化しますと、、 ①これまでのウイルス性肺炎には効果がないことが言…

Case 15-2020: A 79-Year-Old Man with Hyponatremia and Involuntary Movements of the Arm and Face

亜急性進行性の低ナトリウム血症・全身倦怠感・左腕/左顔面の不随意運動を来した79歳 男性。 LGI1抗体脳炎とは、、 まあたしかに、低ナトリウム血症と不随意運動の動きがパラレルではないなと思ったけど、、MRI陰性の時になんとなく棄却してしまったな。 す…

The Game Is Afoot

N Engl J Med 2020;382:2249-55. 今日はLIVE形式で。 63歳女性。慢性の両側の足関節の痛みで来院した。 2年前に左脛骨を骨折し、またその保存的加療中に左大腿果を再度骨折した。 Tスコアは、大腿骨頸部で-1.9, 脊椎で0.4であった。 骨粗しょう症による骨折…

日本内科学会雑誌 2020/6月

今回は2症例であったけど、1症例だけ。 ドパミントランスポーターシンチで線条体の集積低下を示した糖尿病性舞踏病の1例 これは私知りませんでした。 高血糖状態や急激な血糖変動時に、突然の片側の舞踏運動・バリズムを呈する病気。 MRIでT1強調画像で対側…

日本内科学会雑誌 2020 5月

はい、まとめて読んでいます。 まず1例目。 ST合剤によるDHISの経過中にCMV食道炎を合併し、不幸な転帰を辿った1例 74歳女性で、BJM型のMMに対してVRD療法施行後、PCP予防でST合剤が開始された。ST合剤開始27日後から発熱・皮疹が出現し、ST終了したのにも関…

日本内科学会雑誌 2020 4月

HIVを合併し、下垂体前葉機能低下症・下垂体炎をきたした神経梅毒の1例。 31歳男性。 亜急性-慢性の頭痛・発熱で紹介受診。 身体所見で、右顔面神経麻痺と右錐体路兆候あり。 まあこの流れなら、髄液検査→MRIはやるよな。 それで、髄液で単核球優位の細胞数…

CIAMS - コロナのせいにしてみよう -

K先生の新刊。 てか執筆速度、化物やんけ。(Kラジオ聴きました) CIAMSという状態を指し示す用語。 面白いですね。 個人的には、蒸発とか融解みたいなあるモノからあるモノへの変化(質的な変化)をその運動量(融点に到達させるエネルギーみたいな)も含めて指し…

白日

King Gnu 白日を聞いてみた。(おっそ) コロナ禍のこの時期にはいい曲。 この人たちの歌詞には、方向性を感じる。 後と前、過去と未来、けど中心になっているは、「前をみている今」 へばりついて離れない、地続きの今を歩いて行こう

デング熱

N Engl J Med 2012;366:1423-32 デング熱はフラビウイルス科に属するデングウイルスによる蚊媒介性疾患である。 Incubation periodは3-7日程度で 臨床経過は下記の3つのphaseに分かれる。 ①febrile phase 38.5°以上の発熱(88%)と頭痛(78%)・関節痛(63%)・後…

デング熱

N Engl J Med 2012;366:1423-32 デング熱はフラビウイルス科に属するデングウイルスによる蚊媒介性疾患である。 Incubation periodは3-7日程度で 臨床経過は下記の3つのphaseに分かれる。 ①febrile phase 38.5°以上の発熱(88%)と頭痛(78%)・関節痛(63%)・後…

ジカ熱

N Engl J Med 2016; 374:1152-63. ジカウイルスは、フラビウイルス科フラビウイルス属のジカウイルスが蚊を媒介して起こる感染である。 Incubation periodは2-7日程度で、 臨床症状としては、 Maculopapular rashが90%とほぼ必発で、 意外なことに発熱が60%…

チクングニア

こちらも対話から学ぶーに出ていた疾患 N Engl J Med 2015;372:1231-9 どこで流行しているのは、下図。 Fig1. 流行地域 チクングニアの臨床症状は、abrupt onsetで39°以上の発熱が出現し、その後まもなくしてかなりsevereな関節痛や筋肉痛が出現する。 Fever…

メリオイドーシス

対話から学ぶーで、出てきた疾患。 よく知らないので。 N Engl J Med 2012;367:1035-44 北オーストラリアとか南アジア(タイとか?)で流行ってる。 土とか水に含まれるものをincubationするとなる。 経路は3つで①皮膚、②吸入による肺、③摂取で、雨季に多い。 …

デジャヴ

うーん、単純に面白い。過去が現在に起こっている。事件解決には、「みるポイント」が大事。臨床医にささりますな。未来を変えるためには、過去を視、そして行為を変化させる。その視るポイントを、どこに設定するか?6月号の黒野先生にでてきた窓的な話に似…

のぶプロ

のぶプロ。 いいドラマ。 ノブをプロしているけど、シュージも成長していく。 けど、このドラマはそれだけじゃない気がする。 途中で出てくるこの悪役はなんだろう? この悪役は、最後破れるけど、シュージ達はこの悪者を、陥れたり、辱めたりしない。 そこ…

Case 24-2016: A 66-Year-Old Man with Malaise, Weakness, and Hypercalcemia

66歳男性。 急性腎障害・高カルシウム血症をきたした。 うーん。正直この症例は反省です。 高カルシウム血症の鑑別で、え?PTHとPTHrpと活性型VitDないからわからないじゃん。って思っちゃいました。 骨にも病変あるから。腫瘍?副甲状腺機能亢進症でみられ…

Case 24-2016: A 66-Year-Old Man with Malaise, Weakness, and Hypercalcemia

66歳男性。 急性腎障害・高カルシウム血症をきたした。 うーん。正直この症例は反省です。 高カルシウム血症の鑑別で、え?PTHとPTHrpと活性型VitDないからわからないじゃん。って思っちゃいました。 骨にも病変あるから。腫瘍?副甲状腺機能亢進症でみられ…

Case 37-2016: An 86-Year-Old Woman with Leukocytosis and Splenomegaly

86歳女性。 白血球高値・脾腫の人。 所見では白血病でしょ?って思ったけど、末梢血液像に芽球なし。 WBC 20000-30000程度。 単球増加なし。 CML?と思っても、好塩基球・好酸球上がっていないな。って思ったり。 ちなみに ●骨髄増殖性疾患 ・CML BCR/ABL ・…

Case 31-2016: A 53-Year-Old Man with Diplopia, Polydipsia, and Polyuria

53歳男性。 両側外転神経麻痺・中枢性尿崩症で来院した53歳男性。 この時点で下垂体に何かありそうだとは思うんだよね。(まあただ両側外転神経麻痺は、下垂体病変では説明できないんだけど) その瞬間GPAとIgG4関連が(自分は)思い浮かぶんだけど。 ただ読んで…

Case 26-2016: A 28-Year-Old Woman with Back Pain and a Lesion in the Lumbar Spine

巨細胞腫は基本的に膝に起こり、体幹の骨に発生することは少ない。 一応椎体腫瘍の4%をしめ、巨細胞腫のうち3-7%が椎体に発生する。 ただ仙骨は4番目に後発する部位である。 病的骨折の原因となりうる。 今日はこれくらい。

Case 4-2016: A 58-Year-Old Woman with a Skin Ulcer, Fever, and Lymphadenopathy

前額部の潰瘍と発熱と左頸部リンパ節腫脹をきたした58歳女性。 これ聞いたとき、どんな風に考えますか? これを読んでいる最中に書いた僕のメモでは、SLE・SSc・ベーチェット病、、後ワンチャン菊池病かなとかって書いてあるけど、、 この症例のポイントは …

Case 36-2016: A 50-Year-Old Man with Acute Liver Injury

急性肝炎に「溶血性貧血」「急性腎障害」などのSLE的な要素が加わり、さらに「SpO2とSaO2の解離があるとき」 HEV感染には様々な合併症が伴うということ。 羅列すると ・ギランバレー症候群 ・末梢神経障害 ・急性糸球体腎炎 ・HLH ・G6PD欠損があると、溶血…

Case 15-2020: A 79-Year-Old Man with Hyponatremia and Involuntary Movements of the Arm and Face

亜急性進行性の低ナトリウム血症・全身倦怠感・左腕/左顔面の不随意運動を来した79歳 男性。 LGI1抗体脳炎とは、、 まあたしかに、低ナトリウム血症と不随意運動の動きがパラレルではないなと思ったけど、、MRI陰性の時になんとなく棄却してしまったな。 す…

Case 16-2020: A 47-Year-Old Woman with Recurrent Melanoma and Pulmonary Nodules

へえ。ヒストプラズマか。 てかこの解説。後付け感を感じるけど。 さて、Histplasma capsulatumは二形成真菌で、鳥・コウモリの排泄物・ブラックバードのねぐら・流行地域の洞窟などから胞子(菌糸系)を吸入することで生じる。 吸入した胞子は、肺胞内で酵母…

急変はなぜするか? これを聞いてパッと思いつくのはICUに急変なしというU先生の言葉。 「急変というのは、その兆しを見逃し、対処を怠っただけなのだ。」 情報はたくさんあって、それを如何に処理して、如何に未来を予想して、如何に先手を打つか? 急変し…

病態を4次元的に推察する。

最近、case reportでrare diseaseを読んで、あ・これに似ているなと思って、感覚的にあたることが多い。 このレベルから1つbreakthroughするには、K先生が言っていたように、一つ4次元的に病態を推察するのがいいのかもしれない。 EF SNAP DIAGNOSIS × 自律…

Mandell - 耐性機序 - アミノグリコシド

①アミノグリコシドが作用する部位(16sRNA)を変化させる。 ②アミノグリコシドを分解する酵素 ①アミノグリコシドが作用する部位(16sRNA)を変化させる。 プラセミドを介してコードされるarmA, rmtA, rmtB, rmtC, rmtD, rmtE, npmAの遺伝子におyって16sRNAがメチ…

Mandell - 耐性機序- フルオロキノロン

①efflux pomp ②抗菌薬作用部位を変化させる。 ①efflux pomp 腸内細菌 Staphylococcus NorAにコードされている多剤耐性をきたしうるpompを作ったり、EmrAB・AcrAB・qepAなどのキノロンのみの耐性をきたすpompを作る。 ②抗菌薬作用部位を変化させる。 DNAを作…

Mandell - 耐性機序 - テトラサイクリン系 -

①efflux pomp ②作用するリボソーマルの部位を変化させる。 ③テトラサイクリンを分解する酵素を作る。 ①efflux pomp MIC以下の濃度でテトラサイクリンが投与されると、efflux pompが誘導されやすい。 efflux pompをコードしている遺伝子は染色体上に存在する…

Mandell 耐性機序 - マクロライド・リンコマイシン・ストレプトグラミン -

以下の3つの機序で耐性が起こる。 ①リボソーマルの標的部位を変化させる。 ②抗菌薬を排出させるefflux pomp ③抗菌薬を不活化させる。 ①リボソーマルの標的部位を変化させる。 erm遺伝子(プラセミドまたは細菌の染色体上に存在する)が以下の細菌でも見られる…