総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

MSSAのinocolum effect CEZ vs CTRX

MSSA持続菌血症とかって、CEZで消せないとき、CTRXで消せるときってあるよね。。

なんでなんだろうと思ったときに、Sanfordにinocolume effectの話が書いてあったのでまとめ的にゆるく読んでみました。

 

Treatment of Infections Due to Methicillin-Susceptible Staphylococcus aureus (MSSA): Cephalosporins Versus Semisynthetic Penicillins

・MSSAの90%がtypeA-Dのβラクタマーゼを産生している。

・とくにtypeAのβラクタマーゼはCefazolinをよく加水分解し、感染性心内膜炎などの菌量がおおい状況だと、多く産生する。→immunocolum effect

・Determination of an Inoculum Effect with Various Cephalosporins
among Clinical Isolates of Methicillin-Susceptiblでは、MSSAの95株のうち25%がCTRXが分解されないTypeAのβラクタマーゼを産生していた。

 

Inoculum effect of methicillin-susceptible Staphylococcus aureus against broad-spectrum beta-lactam antibiotics

・簡単にまとめると、Oxacillin, CTRX, CFPM, MEPM, A/S, P/TのMSSA菌血症のinocolum  effectを調べたもの。

・MEPMはinocolum effectは認められず、CTRXとCFPMはすこし、P/T・A/Sは結構認められた。

・A/SはMICのRとなるラインをinocolum effectによる超えた。P/TはIくらい?

・P/TとA/SはとくにtypeCのβラクタマーゼ産生によるinocolum effectが多かった。

・A/Sでinoclolum effectを示した症例は、治療失敗が多かった。

 

これを読むと

●もしかしたら菌量がおおい菌血症で、CEZで治療失敗(持続菌血症etc)の場合は、CTRXに変更することも検討するかも。

●MSSA膿瘍・膿胸とかでかつ菌量がおおい場合で、嫌気性菌などもcoverしないといけない場合でもA/Sなどの選択はあまりよろしくないかもしれない。ちゃんとCEZ・CTRXなどの選択にすべきかも。