総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

Case 12-2020: A 24-Year-Old Man with Fever, Cough, and Dyspnea

N Engl J Med 2020;382:1544-53

 

24歳男性。

5日前からの悪寒・発熱・筋肉痛・全身倦怠感・咳嗽・喀痰出現し、その2日後に嘔吐・下痢を認めた。この時の胸部単純X線写真は正常であった。

 

しかし、翌日症状が増悪し、階段を登れなくなるほどの呼吸困難に増悪し、同日他院入院し、CTRX と DOXYが投与開始された。

WBC 218900(band 23%), PLT 60000であった。

 

しかし入院3日に酸素化が増悪し、CTで両側肺野の肺水腫likeの陰影を認め、心機能も低下しており、挿管され、転院搬送された。

 

患者は2週間前に建築現場で鼠に噛まれたらしい。

 

これをみるとハンタウイルスやんっておもうよね。

Prodromal phaseとcardiopulmonary phaseにわかれていて、bandおおくて、PLTひくくて、(Htは書いていないけど。)

潜伏期間も2-4週間と幅があるしね。

 

合致します。

 

この症例で感動したのはFigureがめちゃきれいってこと。

IgGがあがってても、ハンタウイルスのIgGは初期にあがるから診断に有効みたい。

IgMも28日はあがり続けているみたいだしね。

 

ってわけでのせます。

 

あとこの症例で勉強になったのは野兎病ですね。野兎病には3つのパターンがあるらしい。

ただsuddun onsetであることがおおく、すくなくてもincubation periodは3-5日くらい(pestisよりは長いんだね)で、突然発症のflu like symptomをきたす。媒介者は、ウサギなどの齧歯類が関連していることがおおく、本症例ではウサギがいないことと、incubation periodがながすぎると、、(pestisもおなじね)

ハンタウイルスの経過