Sick as a Dog
N Engl J Med 2015;372:1845-50.
42歳男性。2日前から突然発症の咳嗽・血痰・胸痛・筋肉痛を主訴に来院した。
胸部単純X線で右下肺野の浸潤影を認めた。
同日入院し、LVFX 750mg q24が開始された。しかし入院2日たっても改善せず、酸素10L必要とした。CTで両側肺野にすりガラス陰影と浸潤影、縦隔リンパ節腫大を認めた。
喀痰グラム染色では、GNRが多数確認できたが、喀痰培養からはnormal floraしか認められなかった。また血液培養からは嫌気ボトルからPseudomonas luteolaを認めた。
抗菌薬を変更し、VCM + MEPMにescalationした。入院7日目になっても酸素必要量は増悪し挿管され、転院搬送された。その後MEPM→P/Tへ変更した。
ちなみにY.pestisは、Pseudomonas luteolaとして誤同定されることがありそうで(他にもAcinetobacter Iwoffi, Yersinisa pseudotuverculosis)、それにくわえてPseudomonasu luteolaは嫌気ボトルで生えてくることがおかしいそうです。
Y.pestisは、ノミに噛まれたり、感染している猫に引っ掻かれたり、動物からの分泌されるエアゾル吸入で、後重要なのは細菌検査室でおこる。incubation periodは2-8日くらいです。
3つの症候群で症状がわかれていて、
①bubonic plague→80-95%
②septicemic plague→10-20%
③pneumonic plague→レア
①ノミに噛まれたところは気づかないことがおおいが、結跏・膿疱・壊疽性膿疱症みたいな病変できずくひともいるらしい。四肢を刺された場合はリンパ節が腫大する。紫斑・DICになることもあるらしい。
臨床症状としては、突然の悪寒・発熱・全身倦怠感・頭痛みたいなflu like symptomで、そのあとに噛まれた部位の有痛性の可動性のないリンパ節腫大が認められる。とくに鼠径部がおおい。ほっておくと②へ移行。(たしかにそこまでほっとかないか)
②リンパ節腫大がないとかなり診断は難しいかも。多臓器不全みたく、下痢・嘔吐・嘔気などがあって、ショック・DICなど起こり得るかも。
③
primary : エアゾルを感染した動物or人から吸入する。
secondary : baboからsepsisになって肺に辿りつく。
ちなみにprimaryの場合はincubation periodがかなり短いらしく、数時間-数日で突然発症の発熱・咳嗽・胸痛・血痰などの肺炎症状を呈する。
感染経路では人・人感染はまだはっきりわかっていないが、あったという報告もあるようだ。
Up to date的な疑い方は、 10日以内に、ノミとか犬・猫などの動物と接触歴でグラム染色でGNRが見えているけど、培養で生えない的な。。
なるほど突然発症のflu like symptomで、10日以内にノミやdogやcatを接触歴があって、血痰・グラム染色でGNR見えている時。
ペストこわいっすね。