総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

Lemierre’s Syndrome

ひさびさの投稿。

あ、そもそもなぜこのブログをはじめようかと思ったかというと、1つの私的な理由と2人の偉大な人物の影響があったから。

 

私的な理由は、『論文よんでも忘れるから』というごく一般的な理由です。

一応Macの中には整理していれているんだけど、なにをよんだかさっぱり。なのではじめたかんじ。

 

2人の偉大な人物っていうのは、K先生とM先生。

K先生は"物語"をしっておくことの重要性みたいなのをずーっといってて、たしかにいい物語って心にじんわりのこっているよなー、村上春樹みたいにって思ったのをきっかけに、case reportを読み始めたのがきっかけでした。(忘れるのはいい物語ではないからってなってしまうけど笑)

 

もうひとりは、M先生。この人は、僕が"天才"だなって思う人の1人。

なんでここでそういう発想がくるんだろう。とかよくカンファレンスでおもったり。その人がこういう論文を読む会みたいなのをやっていて、自分もよむようになって、ちょっとその発想の秘密というか、そういうのが、もしかしたらMGHとかCPSみたいなcase reportの読み込みにあるのかなって思って、、、

あとこの人の鑑別診断のあげ方は、異常。自分はcontext(こういうふうにいうと人物特定されちゃいそうだけど)で考えるのが得意(いた病院が影響しているけど)で、ある程度の病歴・検査・身体初見があがってから鑑別診断をあげるのは得意。だけどこの人は最初っからcommon, curable, critical, context(4Cアプローチ)であげるから、いっっじょうにあがってくる。

そしてこの人の異常性は、知識量のやばさ。。自分をbreakthroughさせてくれる1人です。

 

語りたいことは語ったので、実際の症例にいきましょう。

 

N. Engl. J. Med. 2019; 380; 12: e16

 

18歳男性。

1週間前から発熱を伴う咽頭痛と全身倦怠感があり、3日前から湿性咳漱・胸痛を認めた。

違法薬物の使用などはない。

SpO2は88%(室内気)で、CTで多発性の空洞影を認めた。

血液培養から、Fusobacterium necrophorumが検出された。

造影CTを撮影すると、内頸静脈に造影不良域を認め、Lemierre`s syndromeと診断した。

CTRX + MNZが投与され改善した。

 

うーんまたまたLemierre`s syndrome。

この前の日本内科学会誌は、脳梗塞があってIEを疑う結果になってしまったけど。

 

この症例のfirst presentationだったら、

18歳男性、1週間前からの咽頭痛と3日前からの胸痛で受診。

違法薬物の既往などはない。SpO2 88%(室内気)で、CT上多発性空洞影を認め、内頸静脈にも造影不良域が認められた。

Lemierre`s syndromeと診断し、CTRX と MNZを開始し、その後改善した。

 

くらいですか。