総合内科医のブログ

読んだ論文をゆるくまとめて載せるブログです。二次資料として使用される場合は責任をとりかねます。またご意見・ご指摘あればよろしくおねがいします。

Case 24-2015: A 28-Year-Old Pregnant Woman with Fever, Chills, Headache, and Fatigue

N Engl J Med 2015;373:468-75.

 

28歳女性。妊娠28週。

急性発症の発熱・頭痛・筋肉痛で来院した。

産婦人科にいったが胎児は問題なく、その後も上記症状に加えて背部痛や耳痛を認め、一般内科への受診を勧められた。

一般内科の採血で血小板12.5万、赤血球にBabesiaは認められなかった。

身体所見上は、右脛骨に4cm程度のレース状の紅斑を認めた。

患者は、休暇中に海岸沿いで過ごしていた。そこにはネズミがいた。。。

血液検査では、血小板減少とトランスアミナーゼ上昇と軽度LDHの上昇を認めた。

 

ここまでみて、さてどうでしょう。(結果はしっているものの)tickborn diseaseを考えますよね。。

 

そうすると

・Lyme病

・Babesia症

・Anaplasma症

・Borrelia miyamotoi

ですかね。

 

血小板減少とレース状の紅斑からは、Lyme病とBorrelia miyamotoiですかね

ただライム病にしては、この皮疹は血行性播種後のtarget lesion的な皮疹なので、これだけ単独だと、Borrelia miyamotoiなのかなって思うのかな。

血小板減少とトランスアミナーゼ上昇とLDH軽度増加からはアナプラズマですけどね。

 

ちなみにこの症例で勉強になるのは、

『夏にかかる"一般的な感冒"は"普通の感冒ではない" 』

ということですかね。

 

どういうことかというと、

夏にはアデノウイルスとかライノウイルスは基本的にかからない。

夏にかかるとすると

エンテロウイルス・コクサッキーウイルス

・Tick born disease 

・蚊媒介性疾患

・その他

っていうわけですね。

 

でこの症例は急性発症でinfectionを疑うのに、今は夏だなっていうアセスの仕方ね。

そこから、ネズミを聞くわけね。。

 

なるほど、、勉強になります。

 

この症例は結局Borrelia miyamotoiでした。。。

 

うーんここまで、Lyme病とかBabesiaとかAnaplasmaとかmiyamotoiとかいろんな症例をみたけど、Lyme病以外は似ている。。。

微妙な違い。たとえば皮疹はバベシアとアナプラズマはきにくいとか。

 

この領域は難しいですね。

 

ひとまず勉強になりました。